ライブラリーニュース復刊第1号【丸善】

遅すぎるレビューですが何分読んだのが今日なもので…
風邪引いてバイト5時間で確実に熱が出たので練習を諦めてミニストップで読みました。。
シューマンシューマンマイスタシューマン!(←頭の中)

シリーズ・ラーニングリソースの展開

情報通信技術と大学教育の変革 山内祐平

「情報通信技術を利用して大学教育を変革する方向性」として、「オープンエデュケーション」と「アクティブラーニング」の紹介。

  • オープンエデュケーション

情報ネットワークを通じて、「開化し、進化させ、深めさせる」ムーブメント。「オープンテクノロジー」「オープンコンテンツ」「オープンナレッジ」の三つから成る。
オープンテクノロジー…教材の標準化や教材配布のシステムがオープンソース化される方向性を示す
オープンコンテンツ…授業で用いられた教材や授業の記録が社会に公開されること。UTオープンコースウェアなど。
オープンナレッジ…以上の二つを土台に、教育者・学習者それぞれの知識や経験の共有が行われ、教育プロセスの「質的な改善」「利用方法の改善」「個々及び全体の教育的知識の増大」という教育・学習の進展を可能にする方向性。オープンエデュケーション自体の目標でもある。

  • アクティブラーニング

「読解・作文・討論・問題解決などの活動において、分析・統合・評価のような高次思考課題を行う学習」であり、学習者が能動的に授業に関与することが必要

UTOCWとMIMA SEARCH 重田勝介

上記の記事で挙げられたオープンコンテンツの一つとして、UTokyo OpenCourseWareを具体的に紹介している。

UTオープンコースウェア(UTOCW)…東京大学教員による正規授業科目のカレンダー、シラバス講義ノートや教材などの教育リソースを、無償で公開するWebサイト
2005年度よりスタートし、2008年1月の時点で計46科目、そのうち17科目において計102の講義映像が公開されてる

これ読むまで、オープンコースウェアの存在を知りませんでした。
実は筑波大学にもあるみたいで。筑波大学オープンコースウェア東大のほど充実しておらず、リンクの貼ってない映像があったり、コース自体何か寂しいですが…
他にも実施している大学はたくさんあります。詳しくはこちらオープンコースウェア - Wikipedia

無料公開している講義映像など、活用しだいではもっともっといいことが出来そうだと思うのですけど…私が知らないだけなのでしょうか?いまひとつ知名度が低い気が。これって凄いことだと思うんですけど。
何かのプロジェクト・企画*1と連動したりするとなお面白いし、本当に役に立つならもっと有名になり利用者が増えてもいいはずですが…
まあ、著作権の問題などもあって難しいのかもしれません。
面白そうで興味もあるので、もう少し掘り下げて調べてみたいです。
  

アスプルンドから未来へ―ストックホルム市立図書館 竹内比呂也

ストックホルム市立図書館を、建築家エリック・グンナール・アスプルンドの設計した建物から紹介しています。
図書館建築の話として興味深く、細部まで気を遣った作りで、理想的な雰囲気の図書館ので涎が・・・。
お気に入りのところ

階段を上がりきった場所は円形のメインフロアのほぼ中央で360度本に囲まれた空間のど真ん中である。このメインフロアにたったときの最初の感動は筆舌に尽くしがたい。自分がまさに知識の中心に位置していて、知識の総量に圧倒されながらもあらゆる知識にアクセスできるような気分になってくるのである。これが、アスプルンドが演出した本と人との出会いである。

いいなぁ・・・!行ってみたい。。

特集 多摩美術大学図書館 新たな図書館像を求めて

体力が尽きてきたのでそこまで細かく紹介はせずに感想だけ。
面白かったのは「図書館としての機能」だけを目的とするのではなく、その「場」に合わせて、図書館としての主な機能と思われる蔵書や開架スペースを制限してまで、その他の役割を重視していたことです。

多摩美術大学図書館が採用した本棚はデザイン性が高く、反面収納冊数など実用的な面では劣るものでした。図書館にとって収容能力は最も優先されるべき事項ではありますが、それよりもデザインの方を優先したのです。
それは、多摩美術大学図書館が「知識や情報を収集し閲覧する従来型の図書館機能に加え、学生や教師がコミュニケーションを図ることができ、キャンパス内の創造の場として積極的に利用できる美大の図書館を」というコンセプトの元に作られたからでした。
設計に関わった中山英之氏によると、多摩美術大学図書館は「つくる図書館」なのだといいます。
美術大学ということもあり、日々「創ること」に積極的に関わる学生たちが、ちょっとしたときに図書館に立ち寄る。そのときに、細部までデザインされつくした施設から、視覚的にインスピレーションを得て、また何か新しいものを「創る」。
中山氏はこう述べています。

彼らはこの場所に、単に目的の情報を得にやってくるわけではありません。ここは、そこに自分なりの居場所を見つけて、そこで考え、作る図書館なのです。

多摩美術大学図書館は、ただ情報を得ることを目的とした施設ではなく、学生がつくるための図書館、一種の「場としての図書館」を構成しているのでしょう。
それは新しい図書館の一つの形としてとても興味深いと思います。
  

ライティングによる学ぶ力の育成 米澤誠

これは大学一年生に読んでもらいたい記事です。
書評といっても、批判するよりは内容を分かりやすくピックアップして教えてくれるようなもので、これを読むだけでも軽くライティングについて理解できるし、ここで紹介されている本を読めばもっと理解できるんだろうなと思います。
特に理系学生、また知識情報・図書館学類生は年代関わらず読むべき。レポートの書き方は本当に学んで損がない。知らなくて困るのも自分。
  

感想

いろんなことに触れられて、そこまで専門的でもなく、誰でも読める図書館についての読み物として最適だと思います。とっつきやすいし、ビジュアルも多くて普通の雑誌とかわりませんし。
楽しかったです。ありがとうございましたー

*1:学内の授業と外部のセミナーが連携したり、学外からもオブザーバーの意見を募集したり・・・だめだ、具体的な企画が思いつかない。賛否両論ある議題を取り上げてブロガー交えて議論とか?