情報の利用しやすさの価値について考えてみる

情報そのものや情報を収集・提供する能力(グーグルとか)に重きが置かれている昨今。。
では、情報を「誰でも簡単に」「利用しやすくする」ことに、価値はないのだろうか?


例えば最近の携帯電話は、インターネットができ、お財布にもなり、テレビまでついて電話の域を越えるような高機能化が激しい。しかしその一方で、機械に弱いお年寄りの人のためにという名目で「かんたんケータイ」なるものが登場した。ボタン3つで簡単操作!とか、とにかく機械に弱い人のために、分かりやすく・使いやすくに重きを置いたケータイだ。シニア層や機械の苦手な人など、携帯業界のシェア拡大のために投入された商品らしい。

簡単ケータイの機能・意義−−東芝・プレスリリース


もっと簡単に言えば、なぜスーパーや専門店に行けばもっと安い商品が手に入るのに、私たちはコンビニを利用してしまうのだろう。スーパーで10円20円の差の特売商品に群がる人はいっぱいいるのに、どう見ても高額なコンビニを利用する人もなくならない。
スーパーが「安さ」に価値を置いているとすれば、コンビには「利用しやすさ」に価値がある。そしてその価値は、少なくとも経済の仕組みの中で「コンビニ」というシステム成り立たせるくらいの需要はあるのだと思う。



「利用しやすさ」に価値があるとすれば、じゃあ情報の「利用しやすさ」はどこにあるのか。
図書館の検索システムやレファレンスサービスなども、情報の利用しやすさに価値があるサービスだと思う。
様々な情報が蓄積されているインターネットにおいても、「検索エンジン」が情報を利用しやすくしていた。
しかし昨今、情報検索エンジンも多機能化が著しい。グーグルもその一つで、附属機能がいくつも登場し高機能・高精度化する一方で、簡単にグーグルの機能を扱えるとは言い辛くなってきた。
私は、グーグル最強説を打ち破る一つのひっかかりはそこにあるのではないかと思う。
機能や性能ではグーグルに劣っても、徹底的に見やすく・利用しやすく・扱いやすくなどといったユーザーインターフェイス周りを強化していけば、それはグーグルと対抗しうる一つの手段になるのではないだろうか。
日本でいまだにヤフーがグーグルよりシェアを上回っているのも、グーグルの簡潔な検索エンジンのみのトップページと比べて、ヤフーは様々な情報にアクセスできる形になっていて、情報を「利用しやすい」形だからだと思う。




・・・ということを、この前の講演を聞いて考えてみました。
私自身はYahooユーザーなのですが、講演で知ったBLOGANGERは(今は使えないらしい)、それも「利用しやすい」検索エンジンの一つの形だし、面白そうだなーと思ったのです。