第10回図書館系勉強会「日本の刑事施設内での書籍などの取り扱いについて」
年が明けましたので、久しぶりに図書館系勉強会を開催しました!
今回の発表は今までで最年少の、学部3年生の水上さん(@hebiko)が担当してくれました。今回の記録も、個人の主観の入った調査による発表であること、また他人が聞き取れる範囲での記録になっていることをご理解いただきつつ、ご覧いただければと思います。
20110120刑事施設
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- 刑務所図書館ってご存知ですか?
- 刑務所図書館の人々
- アメリカやイギリスの話は聞くが、日本はどうなっているのか?
- 日本に刑務所図書館と規定されるものはない
- ではどうなっているのか?
- 刑事施設とは
- スライド参照
- 刑事施設および被収容者などの処遇に関する法律
- 自由刑及び未決拘留を執行する施設
- 刑事施設内で書籍の取り扱い
- 法律-訓令で定められている
- 書籍などの種類
- 自弁の書籍:収容者が自分で購入するなどした書籍
- 備付書籍:刑事施設に備え付けられている書籍
- 今回は備付書籍について!
- 備付書籍
- 購入予算:スライド参照
- 内容:訓令で規定されている
- 法令、教育、教養および適当な娯楽に関するもの
- 職業上有用な知識の習得及び学力の向上に役立つもの
- 貸与方法
- 貸与日を予め定めて告知すること
- 例えば以下の方法など(刑務所により異なる)
- 被収容者を図書室に連行し、開架式の書架から選択させるなど
- 工場、居室棟に書架を設置して選ばさせる(一般貸与本)
- 目録を作成し、そこから選ばさせる(特別貸与本など)
- 貸与日
- 「1月につき2日を下回らない範囲」という規定
- 受刑者でも週2回あったり、毎日貸出できたり
- 貸与冊数・期間
- 「2個を下回らない範囲」
- 昔は「3冊まで」という規定だったので、おおむね3冊が多い。現在はどうなっているかわからない
- 刑務所内は多文化サービスなのか?
- 意外と外国語書籍が多い(スライド参照)
- 東京刑務所:英語の次に多いのはペルシャ語書籍
質疑
- 選書はどうなっているのか
- 受刑者リクエストを受けているところもあれば、そうでないところもある
- 専任の司書がいるのか?
- 各刑務所に専任のスタッフが1人くらいはいる
- 司書であるかはわからない
- 専門図書館には入らないのか
- 入らないと思う。図書館ではなく、備付書籍であり、置かなければいけないわけでもない
- 受刑者インタビューなどはないのか
- インタビューはないが、アンケート調査を行なっており、「良かったこと」の3位に読書が入っている
-
- 書籍は月2回買う日が決められており、その冊数も定められていることが多い
- ただ、差し入れに関する制限はない。刑務所内でたくさん読んでる人は差し入れされてる人
参考図書
- 作者: 中根憲一
- 出版社/メーカー: 出版ニュース社
- 発売日: 2010/04
- メディア: 単行本
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個人的に、日本では「刑務所図書館」とは呼ばれていないにもかかわらず、その役割は図書館に類似していて(特にカード目録の利用など)図書館と図書館でないものは何が違うのだろうと気になりました。
次回は自分が担当になりましたが、これから何やるか決めるところなので(^^;)上手くいけるか不安です…でもやるからにはちゃんとやりたい!ということで、また来週もよろしくお願いします。