ALIS第3回定例会の記録
ALIS第3回定例会を開催いたしました!!
今回はid:min2-flyさんにお手伝いいただいて、min2-flyさんが記録を取れない状態だったので、僭越ながら自分が記録係を務めさせていただきました。
一番前の列の右側から2番目に座っているのが長尾館長です(^^)/
【日程】
2010年9月2日(木)
【場所】
筑波大学春日エリア
情報メディアユニオン3階共同研究会議室
【進行表】
16:00- 開始予定
・ライトニングトーク
・ディスカッション
18:00-
懇親会@筑波大学 春日食堂
参加費1000円。
- 当日のプログラム※当日の都合で2が4の後に移動しました
1. 伊藤弘人(筑波大学図書館情報メディア研究科)
「社会人になる青年の主張〜社会人になっても自分は図書館情報学な人たちと関わっていきたい〜」
2. 八木澤ちひろ(京都大学人文科学研究所図書掛)
「ひよっこライブラリアンの4ヶ月(仮)」
3. 池田光雪(筑波大学知識情報・図書館学類)
「図書館情報学徒から見たリテラシの話 〜岡崎市立図書館騒動を踏まえて」
4. 藤枝大(東洋大学)
「何を保存するか(仮)」
5. 佐々木俊文(中央大学)
「記録管理と生活」
6. 嶋田綾子(公共図書館)
「夢を叶えるわらしべライブラリアン的生き方」
7. 赤山みほ(筑波大学知識情報・図書館学類)
「図書館をつくろう」
8. 小林映里奈(筑波大学知識情報・図書館学類)
「出会い系図書館をつくるプロジェクトについて」
当日の記録は、以下で残っていますので、いつでもご覧いただけます。
- ALIS公式ブログ 第3回終了のご報告
- USTREAMのアーカイブ
- 当日の発表のスライドシェア
- Twitter:#alis_lib
- 図書館情報学若手の会 #alis_lib 第三回定例会Togetterまとめ
- 図書館情報学若手の会 #alis_lib 第三回定例会 その2 Togetterまとめ
ライトニング・トークの記録を取るのは初めてで、あまりについていけなくてmin2-flyさんの偉大さを身にしみて実感していました。
記録途中で文体が変わっていたり、誤字脱字など、申し訳ありません;
初めてということで大目に見てもらいつつ、参加しながらhumottyが理解できた範囲で記録していますので、ご了承ください。
ALISについて(筑波大学 有元よしの)
- ALISの目的
- 図書館情報学に関わる全ての学生、若手研究者、社会人にとって、交流の場、機会となること
- ALISの名前の由来
- Around Library and Information Science
- あえてAroundの前に名詞をおかず、ここに来る何かをみんなで作っていきたい
- ALISの活動
今まで駆け足で定例会を開催してきたが、これからは腰をじっくり落ち着けて、ALISらしい活動を考えていきたい。
- ALISのMLを作成
- 定例会に参加できない人も話し合えるように
- 広報などにも活用、最初は登録制で行うが、後に公開することを考えている
- 暫定的にMLが参加者の名簿をかねる。申込フォームは手元の資料、もしくはブログで
今回の主旨は、小難しいことより、若手のパワーを見せつけること。ビジョンを描ける方はみんな若手!
教員だからとか、社会人だからとか関係ない。ここにいるかぎりみんなに参加してもらいたい。
社会人になる学生の主張 (伊藤弘人 筑波大学図書館情報メディア研究科博士前期2年)
- Twitter:@rok_rok
- データベース系の研究。修士2年。卒業できれば某SE会社に就職
- 今日一番言いたいことは、卒業しても図書館情報学の人と関わっていきたいということ
- なぜ主張するか?
- 社会人としてどのように関わっていいかわからない
- 皆様にお願いがある
- 関わりたい理由
- 大学時代はあまり興味なかったが、大学院進学後、多くの人とかかわるようになった。これからも関わっていきたかったが、もう就職してしまう
- 「図書館情報学って何?」という言葉に対する答えを、まだ考えている
でも、就職してしまったら、どう関わればよいのか。肩書きもない。図書館に就職するわけでもない。
「場」をつくるのは人である
→こんな社会人が参加できる場をください
参加するときに一番怖いのは「場違い」だと思われること。そんなことにならない「場」が欲しい
- 夢
- 「50年後の図書館情報学を見てみたい」
夢の実現のために、答え探しのために、今後も図書館情報学な人たちと関わっていきたい!
図書館情報学徒から見たリテラシの話(池田光雪 筑波大学知識情報・図書館学類4年)
何を保存するか?アーカイブの可能性(藤枝大 東洋大学1年)
- マンガを保存する
- 京都国際マンガミュージアム:現在約30万点の資料を保存
- 東京国際マンガ図書館:2014年までに200万点
- 同人誌の見本誌を保存
- ただで見られると売られないのでは?という問題→解決に向かいつつある
- Twitterのログを残す
- 米国議会図書館
- タグを保存する
- 今までは体系的に分類があったが、これからはタグを自由に付加する形
- 分類するモノとしてのタグも保存されなければならない
電子書籍など、形の転換が起こっている。
- 図書館も変化が求められているのではないか?
- これからは知の「対象」だけでなく、知の「形式」が保存されていく
これから変化していく、これは若手にとっての夢である
50年後の図書館、今後図書館が何をできるかということを、じっくり考えていきたい
- ディスカッションで質問したいこと
- どういったものを保存するべきか?
- 個人の歴史はどこまで保存される必要があるのか?
- グーグルアースなどの記録を、図書館がどこまで保存していくことができるか?
- 科学技術的な知と、人文的な知をいかに結び付けていけるか
ひよっこライブラリアンの4か月(八木澤ちひろ 京都大学人文科学研究所図書掛)
- 自己紹介
- 京都大学図書館の特徴
- 若手が多い(同期は3人)、勉強会も盛ん
- 職場外の図書館員にはなかなか会えないが、勉強会が良い機会に
図書館学は付け焼刃程度で、これからどうしていけばよいのか考えている。
(LiSAで学生協働は学べたが、職場にはあまり学生がおらず…)
夢は大きく、これからも勉強していきたい!
記録管理と生活 (佐々木俊文 中央大学4年)
- 自己紹介
- 普段はサイト制作の手伝いや、海外が好きなのでベトナムで仕事を探そうかと思っている
- 部屋掃除と情報管理
- 先日、パソコンで作業しているとき、ふと気付くと、手元に欲しい情報の「本」がない。
- そのような環境を改善した未来と、改善しなかった未来では、結果が異なるのでは?と考え、情報管理に興味がわいた。
- 今後、狙いをもって情報からの影響デザインをしたい。
- 大学入学後、語学、PCスキル、料理を頑張ろうと思っていた。でも、台所に料理の本がない…
- 環境を整えられていなかった。どこに置けば、効率が良いのか?どのように情報管理をすればよいか?
- そういったことを、今後生きる上で考えていきたい
夢を叶えるわらしべライブラリアン的生き方(嶋田綾子 公共図書館)
- 自己紹介
- 指定管理者受託の公共図書館で副責任者をやっている
- 非正規で3年半勤める。しかし元々有期雇用で、働き続けるためには、勉強していかなければならないと思い、勉強会に参加したりして、ブログで公開
→うちに来ないか?とお誘いいただき、ブログがきっかけで横芝光町立図書館に転職!
図書館ではブログ、Twitterも活用。司書は3-4人しかおらず、カウンターでも働いたり。
さまざまに活動していたが、非正規職員の削減で横芝光町立図書館を解雇。
しかし、勉強を続けていたおかげで、その後公共図書館3館にお誘いいただき、今はお誘いいただいた指定管理者で副責任者を務める。
そのように転々としてきたが、今後どのように生きるのか。まだここがゴールではない。
今後公共図書館をどのようにしたらよくできるか、どんな勉強をしたらよいのかな、ということを考えながら日々の仕事をしていきたい。
勉強会に参加している人も最近は多いけど、でも今の図書館員はやっぱり勉強が足りないと思う。このような会の流れが大きな潮流になっていけば。
図書館をつくろう!(赤山みほ 筑波大学知識情報・図書館学類3年)
- 図書館で働いていました
- 区立3年、国立1年、都立1年、司書資格なし、短大卒
- なぜ働くことができたか?→図書館の民営化が進んだから
- 図書館で働くことになったきっかけは、図書館が近くにあったから。児童室が可愛く、雰囲気が良かった。
- 公務員試験までのつなぎで、軽い気持ちだったが、思っていたより大変だった。
- 公共図書館では何が問題なのか?
- あたらしい図書館の運営方法を、この大学で学んで作っていけたら良い。
出会い系図書館をつくるプロジェクト(小林映里奈 筑波大学知識情報・図書館学類 2年)
- Twitter:@eri_twin
- 図書館はどういう場所であるか?
- 図書館は人と人とが出会う場所であり、図書館は本を通じて人と人が出会う場所である
- 出会い系図書館について
- 出会い系図書館のコンセプト:ひとと本をつなげ、人と人とをつなぐことができる図書館
- 人と人とが出会うことは楽しいこと
- 既存の図書館象にとらわれない図書館を作ってみたい
- 「出会い系」
- 「出会い系」の俗っぽい印象⇔「図書館」の堅----いイメージ
- くっつけてみたら、面白いんじゃないか?
- 「それはなんだ」と思わせたい
- なぜ「図書館」で「出会い」なのか?
- それは、「出会い」=楽しいから!
- 図書館は「本を借りるだけの場所」じゃない。図書館には「本」と「人」の要素がある。「人」の要素を強めた図書館とは?
- それって、きっと、今よりもっと楽しい場所だと思う
- きっかけはTwitter
- いろんな人に賛同してもらって、背中を押してもらった。後は私の情熱だけ。
- でもプロジェクトをするにも、何から始めたらいいのか分らない
- …そこで、ALIS!
- 先輩がたくさんある。わからなかったら聞くことができるし、プロジェクトの宣伝もできる。
- 「夢」
- 自分の手で、「楽しい図書館」を作ってみたい!
ディスカッション
- 出会い系図書館について
- Q:「出会い系図書館」のネーミングはキャッチーで、面白い。図書館を作りたいというのは、現実的な空間なのか、仮想的な空間なのか。図書館に並列して出会いの場所があるのか、一個の別の図書館をつくるということなのか?
- Q:小林さんに質問。明治大学にも、共同閲覧室やグループ研究室など、話し合える場がある。小林さんにも、今まで図書館で話し合うなど、わいわい何かをした経験があるか?
- 小林:私の中では、春日(図書館情報学図書館)のラーニング・コモンズがそう。
- 小林さん自身が、そういった場での活動を楽しいと思われたから、作りたいと思ったのか?
- 小林:図書館で、アカデミックな会話をしながら、人と仲良くできるのが楽しかったので、広げていけたらと思った。
- Q(佐藤):「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」管理人。藤枝さんの話が面白かった。昔長尾先生にも聞いたが、ライフログとはは何なのか、いまいちつかめていない。ターゲティングなどに使われるライフログは、情報なのか?足跡などと同じようなものに見えて、情報なのかと疑問に思う。当時は疑問に思っていたが、残っていると面白い。ただ、従来図書館が取っていたものとは毛色が違って、どう扱えばいいと考えるか?
- 藤枝:ライフログは、もともと医学的な、日々の食事の記録などの意味があったと思う。グーグルアースも、あるときある姿の日本の姿を記録したもの。私企業などが記録して、図書館とはかい離している。そこを、いかにくっつけていくのは、難しいし、分らないが、今後皆さんに投げかけていきたい。ぜひ、長尾館長にお伺いしたい。
- 長尾:国立国会図書館長の長尾です。今回は様々なお話を聞かせていただき、刺激になりました。言いたいことは山ほどあるが、時間がないので今の質問に答えます。シェークスピアの時代のことが分かれば良いなというのはその通りだが、すべての人の記録を取れるか。それが100年200年後に価値を持つかは、難しい問題だと思う。グーグルはたくさん記録を取っているが、それを保持するために発電所を作らないといけないといっている。電力のかからない北極や、北海道に。地球は有限であるのと同じように、情報をなんでも集めるかというのは魅力的でもあるが、それをどのように集めるかは、深刻な問題がある。国会図書館も蔵書が増えて、増設しなければならず、現時点では答えることができない、難しい問題です。
- 有元:長尾館長ありがとうございました。長尾館長は懇親会にもいらっしゃるので、ぜひその際にお話をお聞きください。今日のALISでは、「若手の夢」を語りたい。私は、たくさんの人を誘って、ここにきて、何か変わってもらえたらと思っている。ALISに来て、変われるかもしれない「可能性」を味わっていただきたい。
- 以前から疑問に思っていたが、ALISは、イベントのログは残るが、ALISが途絶えた後には何も残らない。雑誌を作ることや、イベントを推進するなど、何か後に残るような成果物を作ってみたらと考えていた。
- 有元:ALISで何を作っていけばよいのか、意見をいただきたい
- 図書館情報学をやっている以上、図書館に関わる人が多いが、図書館が全く関わらない場所から興味がある人が、参加できるようになってくれればいい。
- 長尾:私も図書館の現場にいます。すると、図書館員が現場で仕事をしているが、仕事の中でいろんな矛盾を感じたりしている。そういった矛盾や困難なことや、疑問に思っていることを掘り起こして、考えていければよいのでは。今は図書館の在り方の転換点にある。これからどういった風にいけば変わっていけるのか、みなさんの発想を持って考えていってほしい。1部では自由な考えを聞き、2部ではその内容について考えていく。藤枝さんの話のように、今後の分類の扱い方や、情報の組織化の上でどのような位置づけになっていくか、集中的な議論を設ける場もあれば、成果が積みあがっていくのではないかと思います。
オープンマイク:若者の夢を語る!
- 三津石:自分の夢は、この会を図書館情報学図書館のラーニング・コモンズで開くことだった。場所の広さの問題で開くことができず、すでに夢破れてしまっているが、この会が今後開けるように、皆さんご協力いただきたいです。
- 陸上をやっていて、その関係でスポーツと図書館に関する研究を行っている。スポーツと図書館の結びつきを強めていくことが夢である。
- 私は司書課程で図書館が面白いんだなと知り、自分も働けるようになりたいと思いこの大学を受験した。みんなが図書館に何を求めているのか、なぜ自分が図書館に興味を持っているのかを修士の間に深めて、探っていきたい。
- 自分の夢は、司書になりたくてもなれない人(の問題)を、解決すること。情報を提供することに生きがいを感じる人はすべて司書になれれば、世の中幸せになれるが、そういう社会にするための障害をいかに克服するかをALISで考えたい。
- 子供が行きたいなと思うような図書館が夢。ネットやテレビを見ることより、もっと広い世界が図書館にある。それを分かってもらいたい。大人や先生もいるけど、まずは子供に図書館を分かってもらいたい。
- 毒を吐きたい。図書館はホワイトカラー臭がする。図書館に情報がいっぱいあっても、自分は、その情報をこねこねすることが重要だと思う。インフラだけでなくて、たくさんある情報をどのように扱うか、こねこね感が大事だということを言いたい。
- 自分の図書館を作るのが夢。自分が住んでいた場所の近くに、青空文庫という先生がつくる図書館のようなものがあって、すごくあこがれていた。絵本や紙の本にこどもたちが出会えるような場所を作りたい。
- 情報学的な見地を活かして、図書館を世の中に広めていくのが夢。今は図書館が世の中に浸透していない。アメリカと比較しても、劣ってみえるのは、図書館が浸透していないから。貸本屋でなく、図書館は総合的な情報提供機関だということを、世の中に広く広報して、図書館が当たり前だという、そういった風潮が日本に生まれていって欲しい。
- 有元:ALISを作ったことも夢だが、図書館”かわいい”は作れるプロジェクトに参加して、今の図書館は可愛くないと思った。暗くてじめじめしてるし、化粧も落ちちゃうし、可愛くなれない。なんか違うと思う。場や図書館の格好として、行きたい図書館になってほしい。本が好きじゃない人でも、図書館が可愛くなって、行きたいと思えるような場所になってほしい。
- 夢を語り足りない方は、U40の東京会場に!
- U40とは、40歳以下の若手職員の交流会として開催したもの。去年は図書館総合展の前夜祭として開催し、今年は図書館大会の後夜祭として開催する。学生の方でも、実際に働いている職員にお話を聞けるいい機会なので、ぜひ来ていただきたい。
- それでは、定例会を終了します。
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(記録終わり)
私が1年生だったとき、周りには図書館について話せる友達もいなくて、言いたいことも言えなくて、寂しくてこのブログを作りました。(実はこのブログも4年目なんですね)
そのときに夢見てたのは、たくさんの友達と図書館についてお話できるような「場」に参加すること。今日の会で、たくさんの人たちが図書館や図書館情報学について熱く語っているのを見て、ああ、これが私の夢見ていたことなんだなって思って、少し感動しました。
ということで、私の夢(のうちの1つ)はかなってしまったらしいので、また次の新しい夢を探したいと思います!笑
最後に、今回の定例会を開くにあたって、長尾真国立国会図書館長を始め、学類の先生方や先輩方など、たくさんの方にご協力いただきました。
皆様に快くご協力いただけたおかげで、無事成功を収めることができました。この場を借りて、厚く御礼を申し上げたいと思います。
本当に、ありがとうございました。
9/5 ALIS公式ブログのリンク追記