根本彰『理想の図書館とは何か:知の公共性をめぐって』
- 作者: 根本彰
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 2011/11/16
- メディア: 単行本
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図書館の専門家により書かれた図書館に関する本。
当たり前といえば当たり前です。しかし、図書館に関する本といえば主題別の司書課程の教科書が多数を占め、今まで図書館についてここまで詳細に、かつ一般的に論じた本というのはあまりありませんでした。外国の文献なども細かに参照し、詳しく論じながらも、切り口は「勉強と図書館」や「場所としての図書館」、「情報通信技術と図書館」など一般市民にも分かりやすいものになっています。
分かりやすい切り口から書かれてはいるものの、やはり内容は少し難解で、図書館についてあまり知らない一般市民が読むには少しとっつきにくいでしょう。内容は素晴らしいので、この本の内容と、一般市民を繋ぐ間にもう一冊、新書の形式で分かりやすく読みやすい図書館に関する本が登場してくれれば、より多くの人に図書館について知ってもらえる良い機会になるのではないでしょうか。
図書館を学ぶ学生は言わずもがなじっくり読み込む必要があります。自分の力では要約もできないほど濃い内容なので、ぜひ手にとって読んでください。
ブログ紹介
http://euroerusw.blog.fc2.com/
大学学部時代から同じサークルに所属していた友達がブログを始めました。彼女はウクライナ・ベラルーシなどの地域研究を行なっている大学院生で、現在も留学中であり、平成24年度からもまた長期の留学の予定があるなど、とても勉強・研究熱心な方です。彼女の学問に対する姿勢には学ばされるところが多く、ああいう風になりたいなと憧れに思います。真摯に学ぶ彼女の姿を少しでも多くの方に読んでもらえれば幸いです。