片山総務大臣のインタビューレポートまとめ/地域主権の時代の図書館のあるべき姿
第13回図書館総合展のWebサイトにて、第12回図書館総合展の際に行われた片山総務大臣へのインタビュー動画のレポートが公開されています。
上記のレポートでは、インタビュー動画を各人の発言のままに記録をとっていました。
そこで、片山総務大臣の話の内容に絞り、何についてお話されていたのかを、普段のレポートのように構造化して分かりやすくまとめてみようかなと思います。
以下の内容はインタビュー内容を見た上で公開されているレポートに沿った形でまとめたもので、複数の過程を経ているため大臣の意図したことを正確に汲み取れていない可能性もあります。
おかしいな、など感じましたら、ぜひ元のインタビュー動画の方をあたっていただければと思います(ご指摘いただければ修正します)。
片山総務大臣がお話ししていたこと
- 首長や議員に期待すること
- 住民の要望に沿った政策をとる、という原点を見失わないこと
- 議会が自治体のチェック機能を有効に果たすこと
- 議会図書室や県庁内図書室について
- 議会図書室の設置は地方自治法第100条で定められている
- 中央官庁が提供した資料に拠ると、中央官庁寄りの政策ができてしまう
- 中立な立場からの資料提供を担えるのは図書館
- 図書館を有効に使うには、優秀な司書が必要
- 「新しい公共」と図書館のつながり
- 新しい公共とは、市民の力によって必要なサービスを提供すること
- 資金は、寄付金など役所に頼らない形で提供されるのが良い
- そのための税制改革など制度を整える必要がある
- 情報や資料の入手場所としての図書館も重要
- 図書館でマニュフェストが手供できないという制約
- 知らなかった。詳細を調べて検討する
- 学校図書館について
- 地域活性化交付金の図書館での活用
- 補正予算は経済の回復のため、今までハード事業に割かれていた
- しかし、知的な分野にも必要である
- 消費者行政、DV被害者対策と同様に、図書館など声の小さい分野でも力を入れていきたい
- 弱い地域での補助
- 道路も重要だが、図書館を整備して欲しいと考える住民は必ずいる
- 今まで冷遇されてきたのを怒ってもいいくらい。やっと認識が変わった
- 全国図書館関係者へのメッセージ
- 本来自治体は住民が必要とするべきことを行うのが仕事
- 知の地域づくりを推進したい
- その中で図書館は重要な拠点になる
- 図書館関係者の皆様にも、その力を周囲に知っていただくよう働きかけてほしい
インタビューを聞いてみて
片山総務大臣は総務省のお役人でかつ図書館への多大な理解があるので、地域主権の時代の図書館のあるべき姿について簡潔かつ明確にお話ししてくださっていると思います。
片山総務大臣が述べられているのは一種の「理想」ですが、実際に現場に立つ図書館員、図書館関係者としては、目指すべき方向性がどのようなものであり、また実際にはどのような政策・条例が定められているのかということについて、理解しておく必要があるのではないでしょうか。
個々人の思想主義とは別にして、時代の流れは地域主権に傾きつつある中で、図書館はどのように発展していくべきなのか。
そのようなことを考える図書館関係者にとって、「理想」が明確で分かりやすいこのインタビュー内容は必読なのではないかと思いました。