ALIS with Lifo −図書館を学ぶ−に参加してきました
2011年2月5日(土)に獨協大学にてALIS with Lifoが開催されました!
- Lifoでの告知:ミーティング記録/ALIS with Lifo - Lifo-wiki
- ALISでの告知:ALISの活動記録 ALIS with Lifo
- ALISでの開催のご報告:ALISの活動記録 ALIS with Lifo 無事終了いたしました。(追記)
- 告知ポスター:http://www.lifo-club.org/index.php?plugin=attach&refer=%A5%DF%A1%BC%A5%C6%A5%A3%A5%F3%A5%B0%B5%AD%CF%BF%2FALIS%20with%20Lifo&openfile=AL3.pdf
- Ustream:alis-ust
- Togetter:20110205ALIS with Lifo in 獨協大学図書館 - Togetter
- 参加者のTwitterのリスト:Twitter. It's what's happening.(追記)
ALIS with Lifoは、図書館関係の異なる集まりであるALISとLifoの交流会です。
今回の構成はこんな感じでした。
ALIS with Lifo ―図書館を学ぶ―
【日程】 2011年2月5日(土) 13:00〜17:30【場所】獨協大学図書館
【進行表】
<第1部>
13:00−14:15 図書館見学(自動書庫あり、約75分)<第2部>
14:30−15:30 図書館仕事生話×図書館情報学生話(約60分)
・ライトニングトーク
- 藤田方江(Lifo)『きっかけはLifo!〜カフェライブラリアンの場合』
- 永見聡一朗(ALIS)『スポーツ情報は図書館を豊かにする』
- 澁田勝(Lifo)『図書館員が博物館学を学んで思うこと(仮)』
- 三武彬男(ALIS)『公共図書館における職員とボランティアの協働について(仮)』
- 長谷川拓哉(Lifo)『いま10年経って〜Liformsのプロフィール+αの自己紹介〜(仮)』
- 平山陽菜(ALIS)『これからの図書館の世界』
・フリートーク
15:30−15:45 休憩
15:45−17:15 小グループで座談会(30分×3回)
17:15−17:30 まとめ<第3部>
18:00−20:00 懇親会(3000~3500円程度を予定)
獨協大学の職員の方のご好意により、獨協大学の見学会をさせていただき、その後恒例のライトニングトークとフリートークを行い、最後は座談会ということで、4〜6名のグループになりテーマに沿った話し合いを行いました。
以下、いつものようにhumottyが聞き取れた、理解した範囲での記録になります。また今回は座談会など記録の取れない部分も多かったのですが、その点をご了解いただいた上でご覧いただければと思います。
- ALISとLifoについて
ALISは、当ブログでも何度か告知していましたが、図書館情報学若手の会として図書館情報学を学ぶ若手を中心とした集まりです。2010年6月に発足し、今まで3回の定例会や勉強会、広報活動を行ってきました。
ALISが比較的学生が多いのに対して、Lifoは図書館員の部活動として、図書館で働く方々が中心となる集まりです。図書館員以外にも学生や研究者と幅広い方々が参加しており、不定期的に有志によるミーティングや遠足などが開催されています。
ALIS、Lifoについての詳細は以下をご参照ください。
オープニング / 獨協大学の見学
まず集合場所で挨拶と簡単なガイダンスの後、獨協大学を見学させていただきました。
(humottyは遅刻したのでガイダンスを聞き逃しました…orz)
まず目玉の自動書庫から。
暗くてがたがた動いていて…というものを見るとテンション上ってしまうのは何故なのでしょう。。思わずディズニーランドみたい、とはしゃいでしまいました。自動書庫は6号機まで建設予定で、今は4号機まで入っているらしく、全部建設されると、100万冊収容できるそうです。
ここは図書館でのガイダンスなど、図書館専用のセミナーだそう。
机にはノートパソコンが設置されており、一番前のコンピューターで一元管理ができる。他の教室だと授業との関係があり、図書館専用でこういった教室を確保できていることは大きな強みなんだとか。
独協大学は外国語教育に力をいれているらしく、その特徴が図書館周囲にも目立ちました。
以下、ツアーで教えてもらった獨協大学附属図書館の特徴を箇条書きで書いてみます。
- 外国語のスピーキングの勉強ができる発話ルームがある。
- ドラマや映画などの外国語の視聴覚資料が豊富。
- TOEICなどの語学関連の検定試験の参考書などの資料が豊富で、試験ごとに配架されている。教育でも重視されていてTOEIC○点以上とらないと〜、とされていることもあり、とても
- 和図書、洋図書は基本的に分かれているが、洋図書に触れる機会を増やすために、NDCの8類のみ和洋図書が混合で配架されている(配架がちょっと大変)。
- 館内でノートパソコンを貸出している。
100台ほどあるが、人気で全部貸し出し中になることも多々。 - 館内には備え付けのパソコンもある。
- 現在、図書館内に設置済みのPCが132台あり、貸出PCが81台あります。貸出PCは館内だけでなく、2泊3日で利用可能なので、持ち帰って自宅で使うこともできます。
- 有線LANはないが無線LAN完備。
- パソコンの使える部分とは別にキャレルという静かにするスペースもある。
- 騒音の程度でゾーニングしたいが、空調の管理が難しく、キャレルスペースが暑くなったりする。
- レファレンスカウンターはサブジェクトごとに分かれていて、サブジェクトライブラリアンが担当する。
都合上日に1時間とかしか滞在できない。カウンターの受付時間はこちらのようになっていて、総合レファレンスカウンターは終日(17時まで)、その他は午後のみといった形になっている。
(2/7追記 職員の方に訂正のご連絡をいただいたので、訂正しました。すみませんでした;)
学生の方の「他の大学図書館を初めて見た!」という声が印象的でした。普段自分の通う大学以外の図書館というのは行く機会が殆ど無いですが、比べてみるとどこも想像以上に異なる点が多く、見学するととても面白いです。
humottyは今まで東京女子大やお茶の水女子大学なども見学させていただきましたが、同じ私立大学でも、教育の理念、獨協大学では外国語教育などといったところが強く図書館に現れていて、そこがとても興味深くありました。
概要の説明
さて、ツアーが終了して、いよいよALIS with Lifoの交流!
まず最初に、LifoとALISについて簡単な説明。
- Lifo:図書館員の部活動
- Lifo - Lifo-wiki
- 三つ折リーフレットを配布。
- 9月の段階でメーリングリストに約160名参加している。
- 定例会、見学会、雑誌記事の掲載などを行っている。
- 関東、関西、九州などで活動している。メーリングリスト、Webサイトなどで広報をしている。
- 興味があれば参加してほしい。
ライトニングトーク
きっかけはLifo!〜かふぇらいぶらりあんの場合〜(藤田方江さん)
- 那加市立図書館で働いている。手のひら静脈やICチップで図書を管理している。
- オープン時から働いていて、非常勤職員でもうすぐ5年目。スターバックスでも働いている。
- 図書館では接客が大きい。
- 接客をどうすればいいのか分からなかったので、スターバックスで働いてみようと思った。
- 4月からは横浜でCode4-Lib Japanのお手伝いをすることになりました。
- ALISは学生さんたちが多いので少し距離を置いていた。
みんな卒業したらどうするのだろう?Lifoに移る?
- LifoやU40の関連で様々な活動をするようになり、それがきっかけでCode4-Libの仕事に関わるようになった。
- 正規職員だけの世界ではない。非常勤職員でも、違う仕事もできるし。
- というわけで、今年はCode4-Lib Japanをよろしくお願いします。
スポーツ情報は図書館を豊かにする(永見聡一郎さん)
- 好きな言葉:スポーツは人生を豊かにする。
- スポーツをしなくても生きていけるけど、つまらない。
- おいしいデザートのようなもの。
- 図書館にとっても、スポーツは図書館を豊かにすると思う。
- JISSでの取り組み
- 近年図書館でよく耳にすることとスポーツを絡めてみる。
- 子育て支援→スポーツの図書も含めて提供したり、施設情報を提供する。川崎フロンティアーレの、スポーツ選手による読み聞かせの例も。
- 高齢者サービス:大活字本にスポーツ図書を含めたり
- 観光支援:MLAS連携、民族スポーツなど。地域スポーツクラブとの連携。例)バトルオブスパ
- スポーツ情報は、意外と図書館に組み込みやすいのではないか?
図書館員が博物館学を学んで思うこと(渋田勝さん)
- 自己紹介
- 出身:福岡県
- 水城が有名。水城の近くに父子嶋がある。水城にまつわる逸話が残る土地。
- そういった地元の歴史を調べようと思った。
- 図書館、教育委員会とたらい回しにされ、博物館にいきつくが、情報がバラバラで「この人に聞けば分かる」というのがなかった。
- 情報資源、サポート体制の限界を意識し、博物館に関する知識に興味を持った。
- 平成24年から必修科目が上がるので、学芸員資格を取るなら今がチャンスということもあり、資格も取ろうと思った。
- 司書・学芸員のどちらも、就職状況は同様に厳しい。
- 図書館のように、博物館にはどのようなシステムが入り、管理されているのか?
- MLA連携が流行っているけど、それを肌を持って体験していきたい。
公共図書館における職員とボランティアの協働について(三武彬男さん)
- 東京都の新宿区に在住、区立の図書館が10館あり、そこでボランティア活動と、ボランティアの方の活動を報告する冊子を編集している。
- 新宿区では、図書館で無償で働く人を「サポーター」と呼んでいる。
- 区民が図書館を支えているということを、ただの下請けではなく、サポーターという言葉で強調している。
- 条例としても定められているが、協働体制はまだまだ構築出来ていない。
- サポーター登録にはたくさんの人がいたが、そのほとんどが継続することなく辞めてしまった。
- サポーターの仕事は書架整理や図書の修理、読み聞かせなどだが、それらの仕事は一人仕事で、サポーター同士の交流をもつことが出来なかった。
- それが原因ではないか。
- その問題を解消するために、サポーターの有志でサポーターズニュースを発行するようになった。
- 我々サポーターが、お互いのサポーターの仕事を取材し、図書館員の方に手伝ってもらったりして発行している。
- 講習会の開催にまで至るようになった。これは成果だが、協働と呼べる体制になるまではまだ障害がある。
- 図書館員やサポーターの交流は交流会や講習会などに限られてしまっている。
- なぜここまでこだわるかというと、図書館は図書館のみで成り立っているわけではなく、図書館と利用者や行政を含めて成り立っている。
- 図書館に興味がないような大多数の人たちに興味を持ってもらうために、どうしたら良いのか考えている。
- 今日は図書館で働いている人や、図書館情報学を学んでいる人の話を聞きたい。
いま10年たって〜思うことあれこれ〜(長谷川拓哉さん)
- 大学を出てちょうど10年。この10年で何を感じたかを、ALISやLifoの人たちに伝えて、少しでも参考になれば。
- 大学院に進学したが、生活費を稼ぐために非常勤職員や新聞配達員をしていた。
- なかなか採用は決まらなかったが、終了間際に大学法人で採用が決まった。
- 図書館に行きたかったが、希望が受け入れられず、教務で働くことになった。
- 学生対応、非常勤講師の支援、派遣職員の管理などを経験。
- やりがいのある仕事なのは分かるが、それでも図書館で働きたいと思い、試用期間終了後に退職。
- ラベルの誤りなどをみつけても正規職員に報告することしか出来ず、やはり正規職員にならなければいけないと思うを強くする。
- その後異なる企業への就職を経て、ゆうき図書館に勤務。
これからの図書館の世界(humotty)
- 自己紹介
- こんなブログとかやってます(この記録は原稿コピペです。長くてすみません…)。
- 今日はすごく嬉しいことが2つある。
- さて、今日のタイトルは「これからの図書館の世界」
- 図書館、というより図書館の周りの現状はあまり良くない。
- 一方で、こ最近の図書館に関する自主的な活動の活性化が目立つ
- この2つは、無関係ではない
- 活発な活動があって、すごく多くの図書館員や、研究者や、その他の人が知り合う機会が増えた。
- 若手もたくさんいて、今までは表に出てこなかったような人がたくさんいるのがわかった。
- どんなに栄えてる業界でも、元気で優秀な若手がいなければ衰退するし、どんなに落ちぶれててもそんな人ががいれば持ち直せる。
- これからの図書館の世界を良くしていくのは、そんな活発に活動したり、いろんな人と知り合ったりしている人たちなんじゃないかなと思う。
- 今回のALIS☓LIFOはそれにつながるすごく良い機会。
- ぜひこの場でたくさんの人とお話して、できるなら今日はここにいる全員と知り合いになって帰ってほしい。
- 今ここにいる人たちと仲良くなること、いろんな人のいろんな考え方を聴き、それをきっかけにまた自分の考えを深めたりして、そして知り合いを増やして見識を広げることは、なにより自分自身の糧になる。
- ということで、これからのフリートークや座談会を楽しんでください☆
質疑応答
- (藤田さんに)図書館とカフェ、文房具屋との融合などが話題だが、実際に働いていてどう思うか?
- 図書館じゃないことでも図書館でやって行く、という風潮がある。自分は飲食禁止などを廃止してほしいと思う立場だが、棲み分けるのも大事だと思う。多くの人に、今までの習慣にとらわれず、新しい図書館などを考えてもらいたい。
外に向けて広めていきたい。
- (三武さんに)サポーターだからできることって何かありますか?
- 図書館側からではなく、利用者側から図書館の魅力を伝えるようなWebサイトを作れたりすれば。勝手に盛り上がるのではなく、分かりやすく、図書館だけでなく名所の案内も含めたりできる。図書館の職員には周囲のおいしいレストランの案内もできないので、そういうことをやれたらと思う。会議室も、図書館に興味をもってもらうための茶話会を開催したいと思うのだが、図書館員の方に相談してみると問題がある。そういうところをいかに上手く回避できるか。
- (長谷川さんに)学務や教員と図書館との連携が課題だと思うのだが、実際に勤務していて、図書館との連携に何が課題だと思いますか?
- 自分は辞めてしまったので改善できなかったが、やはり断絶があると思う。何らかの連携が出来れば。
- (永見さんに)川崎の読み聞かせの例は、どういうイベントなのか?
(ちょっと考えていたので、最後2つくらいは記録が取れませんでした;)
以降は、4〜6名のグループに分かれてのディスカッションでした。
ディスカッションと行っても、固い議論ではなく、自己紹介や交流を主体にしたお話会です。少人数でまとまった話をすることで、ただご挨拶をするよりも、より深く多くの人とお話できたと思います。
ディスカッションが終わると、もう閉会の挨拶。主催の方々の締めの言葉とともに、ALIS with Lifoは無事幕を閉じました。
誰かもおっしゃっていましたが、ツアーとライトニングトークやディスカッションの順番を逆にしても良かったね、というくらい、最初は知らない人も多くぎこちなかった参加者の方々が、最後にはディスカッションが終わってもみんなが誰かと話しているといった状態で、すごく仲良くなっていたのが印象的でした。
感想
自分のライトニングトークでも言いましたが、卒論だなんだとあって、自分はこの会の準備をほとんど手伝えていないのですよね。どれくらい関われなかったかというと、ブログでイベントを告知するのをすっかり忘れてしまってたくらい。いや、本当に酷い。にも関わらず、ALIS with Lifoを開いてくれて、それに参加できたというのはとても嬉しかったのです。
それだけではなく、多くの新しい人達と出会えたのは大きな収穫でした。特に図書館で働く方々や、図書館のサポーターという利用者の立場の方から直接お話を聞くことで、自分の、学生であることや学問のみに接していることによる視野の狭さに気付かされました。それは短い間でしたが直接話し合い、議論することで指摘されることでもあったので、今回の短いグループディスカッションは自分にとってとても有意義なものでした。今までのALISは定例会→フリートークという形式でしたが、グループディスカッションで得られるものも同じくらい良いものだと思います。
ALISは設立当初から関わっていることもあり、わりと知り合いになれた方が多いのですが、今回のALIS with Lifoでは初めてお会いする学生以外の方や、また学生でも1年生ながら興味があって参加してくれた人もいて、それも嬉しかったですね。以前の定例会のエントリでも書きましたが、自分がALISに関わったきっかけの一つは、自分が大学入学時にALISのような場所が欲しくて、でもそれがなかったのが悔しかったからです。ですので、自分の後輩から「図書館についてもっと学びたくて、図書館情報学について知りたくて、ALISに入ろうと思った」なんていう言葉を聞くと、まるで昔の自分がそこにいるような気がして、感無量になります。きっと自分も同じようなことを言っていた、そういう確信があります。
ALIS with Lifoを企画してくれたALISのメンバーも1年生(!)で、これからが本当に楽しみです。設立当初は夢にも思わなかったのに、ALISの4年後はどうなっているのだろう、なんてことすら考えてしまいます。
個人的には、ライトニングトークでもう少し図書館と図書館情報学について触れるべきだったかな、という反省もありますが、会としては大成功でした。
企画運営に関わってくださった方々、そして参加したくださった方々に心から感謝しています。ありがとうございました。
(2/8追記 ALISでの開催報告とTwitterの参加者リストを追加)