東京女子大学マイライフ・マイライブラリー公開実績報告会で春日ラーニングコモンズについて発表してきました


筑波大学図書館情報学図書館ラーニングコモンズについて発表してきました。

東京女子大学のラーニングコモンズ、マイライフ・マイライブラリーの報告会で、筑波大学の逸村先生が講演なされたのですが、その講演の中で、筑波大学図書館情報学図書館のラーニングコモンズについて、同じ学生スタッフのariyosiさんと2人で発表してまいりました。
当日の記録については、かたつむりの先輩がいらっしゃったので、そちらの公開があると思います。期待!
11/1/20追記

かたつむりの先輩の記事が公開されました!
「学生協働サポート」の生の声が盛りだくさん!:東京女子大学「マイライフ・マイライブラリー」公開実績報告会参加記録 - かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)(かたつむりは電子図書館の夢をみるか)

とうことで、今回は参加した感想などを書きたいと思います。


筑波大学図書館情報学図書館ラーニングコモンズ(春日ラーニングコモンズ)について

発表内容は先輩のブログ参照、ということで…
自分で発表していても、自分で100%納得しているわけではありません。例えば今回では、春日ラーニングコモンズで開催したイベントを中心に発表したのですが、「イベント開催に偏りすぎてない?」っていう疑問もありました。イベントっていっても参加している人は限られて(学生のほとんどが参加したりしない)いるわけで、そんなのばっかりしても、学生全体の役には立たない。その疑問に対して、以下のように考えてみました。

イベント開催に偏りすぎていないか?

学生スタッフとしての率直かつ辛辣な意見としては、私たちはお金をもらって学生スタッフをしているわけではない。ボランティアとして、自分の為に学生スタッフとしてラーニングコモンズを運営している。
それで、自分のために自分の好きなことを行って、何が悪いというの?というのがホンネ。
もしあなたが今のサービスに不満で、もっと他にやってほしいことがあるなら、あなたが学生スタッフになってやればいい。学生スタッフには垣根はなく、制限もなく、また必要以上の情報公開も行っている。必要なものすべては提供している。あなたがそれをどう活かすか、それは私たちにはどうにもできない。あなた次第。
実際は、そこまで意欲のある人間は少なく、多くの人はただ「興味・関心がない」状態です。人間の意識を変えることは、難しい。その人が変わりたいと思わない限り。私たちにできることは、できるだけ多くの「きっかけ」を与えること、また、何かをやりたいと考えたとき、意欲を持ったときに、それを成すことができる「場所」を提供できることだと考えています。
個人的には、「場所」の提供が最も大事だと考えています。意欲を持たない人は、それはそれで個人の自由なので良いのですが、意欲を持っている人がそれを発揮できず、いつの間にか知らないうちに意欲をなくしたり埋もれてしまう事のほうが、よっぽどもったいないことです。持たせるのが大変なら、持ってる人を最大限活かせるように。そんな意識があります。
現実には、先輩がいると後輩が萎縮してしまったり、いろいろと上手くいかないことはあります。大人の方々とのすり合わせや、社会的常識の欠如もあります。それでも活動できるのは、意欲ある学生を理解し最大限伸ばそうと動いてくれる先生方のおかげです。



マイライフ・マイライブラリー実績報告会の感想

実績報告会をお聞きして、面白いと感じた以下の3点について、それぞれ感想を述べます。

  • 館外貸出よりも館内利用が求められていた
  • 学生のニーズの把握
  • 学生スタッフの感想
館外貸出よりも館内利用が求められている
  • 貸出冊数が激減した
  • 学生のアンケートでは館外貸出は3位で、1位や2位は館内利用などだった

何をもって「良い」図書館とするのか、ということ。
今までは館外貸出冊数の量的数字は重要な評価指数だったはず。だけど、図書館は良くなり、利用者も増え、素晴らしいサービスを提供しているのに、館外貸出冊数が減少したという結果がとても興味深かったです。
例えば、電子資料が充実して、図書館資料を持ち出さなくても気軽に、楽に利用出来る場合。もしくは、館内が居心地が良すぎて、ずっと館内で利用するから館外貸出をしない場合。それは、単純に館外貸出冊数が高い図書館よりも、少なくとも学生・利用者にとっては「良い」図書館に間違いないですよね。
評価指標にばかり踊らされていると、大事なものを見落としてしまいます。
かといって、気にしなくても良いというわけではなく、客観的な数量的指標は、参考にすべき重要な情報でもあります。情報を利用する側がその点を認識しておく、あるいは数値で見えない情報を可視化できるような評価を行う必要があると感じました。

学生のアンケート

大学生は、世代や通う大学の学風に影響されて、一口に大学生と言ってもとても大きく異なっています。春日ラーニングコモンズをやるうえで東京女子大学お茶の水女子大学と、よく比較してきましたが、女子大と共学という違いはそもそも、気風やカリキュラムなど、もう同じ年代の学生とは思えないほどの違いがあります。その大学の学生のニーズを把握するためには、それぞれの大学でアンケートなど調査を行うことが不可欠だと思います。
東京女子大学でマイライフ・マイライブラリーでの学生へのアンケート結果がとても面白かった。前述のように、利用率の高さはもちろんだが、図書館に求めるもので、館外貸出が一番ではないこと。館外貸出よりも一般閲覧席での読書・学習、館内利用がより重要と考えられている。今までの貸出冊数などの数量的な比較のみを考えると、これはとても面白い結果です。この結果は、今の世代の学生は館外貸出を必要としない、というわけではない。学生から考えれば、自宅から通う学生が多かったり、図書館以外で勉強する必要がある場合(研究室など)、館内利用より館外貸出が重視されるだろう。それは大学により異なるのである。
学生が本当に求めているものは何なのか?それを把握しなければ、どんなに素晴らしい図書館でも適切なサービスを提供、方向性を提示できないのではないでしょうか。それだけでなくても、図書館のユーザーについて知ることは、つまりそれぞれの大学の気風や学生の雰囲気を知ることは、とても面白いと思うのです。

サポーターの体験談

赤いエプロン可愛い!!(≧▽≦)女の子ばかりで華やかで、素敵!
サポーターなどの役割に興味を持ち、学習意欲がわくなど、とても素晴らしい活動をしている人たちがいて、話を聞いていてめっちゃきゅんきゅんしました。感動した!けれど、外部評価で指摘されていたように、こんなに図書館に興味を持っている人が多いにもかかわらず、東京女子大学には司書課程制度がないことが、とても残念。外部で司書資格の講座を受講した人もいましたが、折角図書館に興味をもつ学生が増えているので、東京女子大学で司書資格が取得できるようになればとても素晴らしいと思います。
以下感想のメモを箇条書き。

  • ”「これを自分の知識にした人がいるんだな」ということに興味を持った”
  • かわいい。声かっこいい
  • 声をかけて目を見て話すと利用者は逃げない
  • 瑞々しい感性、善意のかたまりのような感想に心が洗われる。女子大すごいなあ…
  • 初期、制度化した最初の年や次の年などはやはり利用者は少なかった。そこで諸々を改善し、利用者の向上に務めた
女子大の雰囲気

「女子大だから」というわけではありませんが、学生がみんな女の子であることや、学校に漂う気品というか、一種の雰囲気が独特なのは、やはり女子大ならではなのかなと感じました。
学生もそうなのですが、図書館員や教員の方も違う。筋が入って、凛としている感じ。よく社会で活躍している卒業生の方などをお呼びしての講演会や、体験談やインタビュー、広報などを行われているようですが、一貫して「女性」というジェンダーを意識し、誇りとしているイメージがある。すごく素敵だなと思いました。自分は共学ですが、共学では一生意識しないような、「女性として社会でどう活躍するか」という意識がある。ジェンダーをデメリットとして捉えるのではなく、ポジティブに捉えて、いかにらしく自分を活かして活躍するのかを考えている。そのような学風があるからこそ、学生スタッフを活用した社会経験的な教育も馴染み安いのではないでしょうか。


感想は以上になります。
自分の発表も含めて、とても楽しく(緊張しましたが)、勉強になりました。図書館員の方も、利用者も含めて素晴らしい大学図書館を間近に見れて、良かったです。一介の学生に発表の機会を



おまけ:プレゼン自己評価

あがり症対策に、毎回自己評価をつけてなんとかならないかなと思っているのですが…
今回のプレゼンのコンセプトは、あくまで真面目に、笑いを狙わず、総合展のポスターセッションを踏まえてゆっくりしゃべってみる、でした。

良かった点
今までの発表の中では一番落ち着いて、変にあがらずに発表できた(薬服用)。
反省点
時間オーバー。おしているにも関わらず、事前練習9分未満のところ11分過ぎに(時間はあまり気にしないで良いとは言われていたものの)。スライドを前日に大幅に改定してしまったので、配布資料と異なってしまったのが申し訳なかったです。

構成は、ariyosiさんとの分担だったので、前半は自分が春日ラーニングコモンズについて、1年間のイベント企画を中心に「春日ラーニングコモンズとは何か」を説明し、後半はariyosiさんに代わって、学生スタッフ個人としての意識や春日ラーニングコモンズの問題や課題などを話してもらいました。