前エントリ補足

前エントリのブクマコメに対応して、一部補足を

>腐女子で「反響」を示すのは少数派では?

そもそも"腐女子"を具体的に定義できない以上、明確な判断は下せない。
ふもってぃが前エントリで想定していたのは、「BL小説や漫画を(好んで)読む」人のことであり(もちろん男性含む)、それを前提とさせていただきます。
このコメントを受けて、自身もBL問題に関する記事を網羅していたわけではなかったので、改めて読み直してみた。BL視点からの問題に関しては、堺市図書館論争 まとめと個人的見解 後・BL問題編 - 彼方むんむんこちらの方の記事が分かりやすくリンクもあるので利用しやすい。これらの他にもいくつかあったが、数の「大・小」の基準もない上での主観だが、図書館問題の反響と比べても、少なくはないのではと思う。腐女子の中にはそういった問題に口を出したくない人もいるだろうが…。それをいうと、図書館問題に対して反響を示すのも少数派では、かなと。前エントリではそこまでマイノリティ・マジョリティに意味を持たせたわけではなかった。
  

>同性間恋愛がテーマゆえに性表現に対する取り組みが遅れたとする根拠は?

これに該当する前エントリの言説は「しかし、男同士の恋愛というタブーなテーマの図書であるために、BL本について今まで誰もまっとうに取り組んでこなかった。出版側がどんどん過激になっていくのを止められなかったのである。」「BL本のそのテーマ性のために非難されるのはおかしい。」の辺りだと思う。
これに対して自分が意図していたのは、BLというテーマを持つものが、そのテーマのために、擁護する側も非難する側も偏見を持っている。そのために、問題が変な方向にいってしまって、現実に即した問題について考えられなかったのではないかということ。
いくつかのエントリで、BLを女性と男性の性差別的な問題にすり替えたり、ホモフォビアの問題を重ねたり、男性向けの図書と比較して女性側の差別意識だとかいう言説を見た。それらの問題は、それら自身で意味があり論ぜられるものだと思う。
しかし、今現在問題になっているのは「性的表現」であり、前者と後者は関係ない、とふもってぃは考えている。男性と男性によるか、男性と女性によるか、問題なのは主体ではなく、それらが行っている行為がどのように記述されているか、だと。いまや半ば容認されているBL小説は、よく本屋さんなどで本棚を丸々ひとつふたつ占拠している。もし、二次元ドリームノベルズが本棚をいくつか占拠していたらどうだろう。とても18禁書店だ。しかしこれがBL本だった場合、なぜか容認されてしまう。では二次元ドリームノベルズとBL本は何が違うのか?男と女だから?描写の過激度?BL本は恋愛がメインだから?男性向けと女性向けでは使用目的が違うから?なんでやねん。*1
そういった別の問題にすり替えられてしまうところが、BLの扱いにくいテーマ性なのかな、と思ったのでした。
  

>BLの市場は大きくないです。

何に対して「大きくない」のだろう。部数が少なくては、全国規模の書店にはあまり並ばないのでは、と素人知識に思う。増刷されないから?そんな図書はもっと他にもあるのではないだろうか。それこそ図書館が好みそうな。
個人的な主観として、出版点数や実際の印刷部数にこだわらないのなら、本屋さんで本棚いくつか占拠していたりBookPage本の年鑑で専用に(謎の方法で)分類されている"いわゆる"BL本の市場が「小さい」とは思いづらい。実証するのは…面倒くさいなぁ。そもそも市場の大小の基準は経済学?不勉強なのでわからない。うーん。
  

>配慮の対象は子供だけ?

基本的に表現の自由というものがあり、利用者側にも利用する自由があり、それは本を読む自由であり、本来どの図書を個人の嗜好に合わせて選ぶのかは本人自身が責任を持って選ぶべきである。
そして、普通大人(成人)は社会的な責任があり(税金払ったり)、判断能力があると認識される、はず。たぶん。そう人たちは、自分で図書を選ぶべきであり、気に入らない本を手に取らないためのスキルは自分で身に着けるべきだと思う。
ただ、それを選びたくない人への配慮ももちろん必要で、そのために映画でのR-18指定やその他ジャンル分けがあるのではないか。そしてそれらは個人の利用を制限するものではない。
対して、子供はそういった判断能力が未熟だからある程度大人が何とかしないと、といわれる。フィルタリング機能とか。そういったことを意識していました。
違う話だけど、「〜すべき」というのはあまり気に食わない言い方だよね。

>ゾーニングについて

「「年齢により購入や閲覧などできるものを制限して年令別に分ける事」」、と調べたら出てきた。ふもってぃは、ゾーニングする必要はないと思う。基本反対。
前エントリで述べたのは、出版もしくは本屋側で、具体的かつ明快な基準に沿っての分類。あるいはタグ付け。
ようするに、「BLなんて見たくない!」という人にたいして、「この本はBLだから見ないほうがいいですよ」というシステム、があればいいなぁと。「キスまではいいけどそれ以降は見たくない!」という、個人的な倫理観はごもっともなので、そういった基準を利用者が自ら選ぶことができるもの。見たくなければ見なくちゃいいじゃん、という。だけど、自分で選べば良いものを、存在するのも嫌だから消してくれっていうのは別の話。図書館がそれを置くのかするのかも別の話。
たとえば、この本は本番までやってますとか、強姦ですとか、それこそタグ付けみたいな形で。詳しすぎるのが面倒なら年齢区分でもいいけれど、理想的なのはまったく関係ない第3者でも分類できる基準。「〜という表現があれば□」とか。があればいいのかな、と妄想していたのでした。
子供に対しては、児童書架や子供が読みそうな小説の棚に置かないという配慮は必要だろうが、子供が読んではいけないという制限を、かける必要はないのではないか。もちろん条例や政策でそう決定されたなら従うべきだが、少なくとも図書館がそれをする必要はない。ちゃんと分類して、区分して、その上でそれを子供が読まないように指導するのは親の役割というか、まあ、図書館ではない、かなと。図書館に夜警国家的な思想を持っているのかな。私は。
ただレーベル分けは断固阻止したいだけなんだけどな。。コバルト全盛期時代(藤本ひとみ榎木洋子あたり)を読んで育った身として。ホワイトハートも好きだったなぁ。
  
出版側について触れられていたので、興味深く
2008-11-11
やはり売れたもの勝ちなのかな、とも思う。

*1:そういった言説を見ていて、一番吹いたのが、いわゆる鍵とかの作品のエロは文学なんだ!っていう。。いやいや、KANON東鳩もランスもやってることは一緒だって。