ITAN 1号 特集【ひみつの図書館】


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ITAN 1号 特集【ひみつの図書館】

【…想像系新雑誌…】世界のはじっこを描き出す新しいコミック誌



最近新しいコミック雑誌の創刊が目立ちますが、その中の一冊。刊行は3月、6月、9月、12月の年4回。1号のまえに零号があったようですが、その存在を知らず、今回特集が図書館だったために購入。
講談社といえば「ARIA」の槇ようこ×持田かおりや由貴香織里naked apeを起用しての創刊もありましたが、この雑誌も東山和子や冴凪亮を含みつつ、読んだことのある作家さんがちらほら。講談社刊行の割に、白泉社系列で馴染みのある方が多い気も。
(アサミジョーについてはつっこんでいいのやらなんやら…)
図書館ネタということで、特集に絞ったご紹介を。

漫画「図書館司書と銃と罰」東山和子

木下さくらと共著の「tactics」で知られる東山和子さん。

研究者志望の大学生、藤堂が「xxxHOLIC」のように偶然入った古書店は、都市伝説の「行くだけで願いがかなう図書館」に繋がっていた。そこでは、又貸しや延滞禁止、貸出は一週間のみなどの規則のもと、利用者の願いをかなえる「本」を貸し出しているという。藤堂は科学者になるという夢をかなえるために、邪神アルトニアが入った「本」を借り受けるが…

魔探偵ロキ」や「xxxHOLIC」のような現代ファンタジー。図書館の利用規則やかっこいいお兄さん司書が見どころでしょうか。男の娘なアルトニアかわいい。
特集は基本的に読み切りなんですが、シリーズ化でもしてしまいそうなくらいキャラクターが立ってて面白いです。

漫画「朗読時間」びっけ

「真空融接」が個人的に大ヒットだったびっけさん。
な、泣いた…。INTAN1号で一番のお勧めです。

リデアは、本を読むのはそんなに好きではないけれど、町に来る移動図書館で借りた本を、恋人のテオが朗読してくれるのを聞くのが大好きだった。
しかし、戦争が続き移動図書館は来なくなり、テオも徴兵されてしまう。働きながらテオの帰りを待ち続けるリデアだったが、戦争から帰ってきたテオは、見るも無残な姿だった…。
それでもリデアは昔と変わらず、毎日職場と図書館とテオの家を行き来した。変わったといえば、昔は聞くばかりだった朗読を、今度は自分が図書館で本を借りてテオに読んであげる日々が続いたこと。リデアはそれで満足していたが、職場での冷たい視線や親の助言、町での噂話など、いつしかテオの家に通うことに疲れ始めていた。
ある日、リデアは風邪気味のテオを残して友人と旅行に行く。しかし、旅行から帰ってくると、テオは…

上手くあらすじが書けなくてこんなに悔しいことはありません。
戦争から帰ってきたら…的な話は「キャタピラー」に通じるところがありますが、この話はそんなに残酷ではなく、ただ少し悲しいお話です。
リデアの心情がとっても上手く表現されていて、ぜひ漫画を読んでもらいたいです。

その他「図書館」のコーナー

  • ITAN妄想ステーション

式嶌波さんのインタビューという形で、漫画家さんにとっての図書館や、図書館のイイ思い出、理想の司書さんのお話など。

  • ITAN DVDコレクション(図書館編)

図書館にまつわるDVDを紹介しているページ。
トップはまあ当然と言えば当然と言った形で、上記のびっけさんが「薔薇の名前」を紹介されている。
他の紹介されているもので、今まで知らなかったのは「ミザリー」や「ショーシャンクの空に」など。


他には、ITAN図書館という後書きコーナーで掲載している作家さん全員が「図書館」「本」「本屋さん」にまつわる一言コメントを掲載されていたり。
中には司書のアルバイトをされていたという方や、多摩美術大学の図書館が話題に上がったりなど。


いろんな人の「図書館」観を見るのは面白いですねー